2.ミニさくら2005はこうして出来た

イ) 「子どもがつくるまち ミニさくら2005」の概要

「ミニさくら」は、子どもだけが市民になれる遊びのまち。

受付で市民カードを手に入れた子どもは、職安でやりたい仕事を選び「仕事カード」を手に入れる。選んだ仕事のブースに行き、好きなだけ働く。労働時間に応じた給料を独自通貨の<モール>で、銀行で受け取り、自由に使うことができる。

仕事の種類は、市議会・警察などの行政機関、手打ちうどん・サンドイッチなどの飲食店、紙漉き・竹細工などの手作り工房などのほか、新聞社・発電所・デパートなどの40種以上。それぞれの仕事場(ブース)には大人のサポーターがいて、子ども達の活動をサポートした。


今回は初めて7日間の開催で、子どもの参加費も300円から500円に値上げした。また、2年ぶりの開催ということで、これらの事が子どもの参加人数などにどう影響するか予測がつかなかったが、1日の参加人数は400人前後にとどまり、また、2年ぶりということもあってか、7日間の参加人数(実数)も前回(2003年)の1601人を下回った。

開催期間が延びたにもかかわらず子どもの参加人数が減少した理由としては、天候や駐車場が確保されなかったことなども考えられるが、1年休んでしまったことで、子ども達の気持ちが離れてしまったことも考えられるのではないだろうか。少し残念ではある。

しかし「ミニさくら」というまちの“許容量”へ視点を移せば、1日400人程度までが、「職安の前に1時間待ちの行列」などの問題もなく、子ども達もゆったりと活動を楽しめる定員なのではないかと感じた。


参加した子ども達の年齢層は、3,4年生が一番多かった1回目、2回目に比べると1,2年生の割合が上がった。

また、1回目、2回目の開催に関わった10代スタッフ達が“卒業”してしまい、先頭に立ってまち全体の運営に取り組む集団の力が今回存在しなかったことで、子ども達の意識が「まちの運営」に向いていくまでに時間がかかったように感じる。

5月から話し合いを重ねてきた「子どもスタッフ」のメンバーの中には「市長選挙」の開催に意欲を持っていた子もいるが、雰囲気を引っ張っていくには人数的にも力が及ばず、6日目まで実現を待たなければならなかった。

この点で反省していることは、まちの運営に関わる市役所や市議会のサポーターを日替わりにしてしまったことだ。日々のブースの様子や移り変わりを引き継いで子ども達の活動のサポートをすることは困難だったと考えられる。7日間全て参加できるサポーターを確保するのは難しいが、今後は「ミニさくら」のまちづくりの根幹を担うこれらのブースに重点的に子ども達の気持ちをサポートできるような体制を整えていきたい。もちろん、子どもスタッフ集団がパワーアップできるよう、次回に向けて子どもスタッフの活動の充実も大きな課題である。

しかし7日間のゆったりとした時間の流れの中で、次第にそれぞれのブースで子ども達は「自分達が主役である」事に気づき、主体性と創造力を発揮して「まちづくり」を楽しむような雰囲気が感じられるようになったことは、成果といえる。


加えて、今回は、商店街の店主の方々も、駄菓子屋のブースを開いたり、チンドン屋にお店の宣伝を依頼したり、お店の手伝いの求人を職安に出してくださるなどの形で「ミニさくら」に直接参加し、子ども達と深く関わってくださった。

商店街の方々が深く関わってくださったことは、「ミニさくら」を日常につなげ、子ども達がイキイキと主体的に生きられる地域社会の実現への確実な一歩と考える。地域との関わりを今後も大切にしていきたい

参加者数

27(日) 28(月) 29(火) 30(水) 31(木) 1(金) 2(土) 合計
晴れ 曇り 曇り 曇り 晴れ 曇り
子ども 新規 392 122 195 171 121 161 81 1243
96 190 258 228 291 329
合計 392 218 385 429 349 452 410 2635
大人サポーター 新規 113 18 25 34 18 24 21 253
45 58 61 41 54 46
合計 113 63 83 95 59 78 67 558

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